1990年以降ロックは、オルタナティブ・ロックの潮流と科学技術の目まぐるしい発達によって、もはやロックというジャンルでは括れないほどに細分化していきました。ロックは新たな可能性を求め、より実験的な試みを行い、先進的な音楽を追求するバンドも数多く現れましたが、そうした試みが多くの場合悉く失敗に終わり、また成功しても大衆からの支持は得られないという状況もあって、そこにロックの限界を感じるミュージシャンや評論家が多くいた事も事実です。そうした中でやはり、時代の寵児となっていったのは、大衆性を帯びつつも現代という時代性を的確に捉えたバンドでした。
そうしたバンドは、デビュー当初こそ大衆よりのサウンドを響かせながら、時を経るごとにより独自の音楽性を強め、また音楽的センスの優れたリスナーを取り込むことで自己のサウンドを高めていくことになりました。ロックの歴史においては常にそうであるように革新性を持ったバンドの多くは英国から誕生しています。現代のロックは、更に複雑なアプローチをしています。
1990年代に打ち込みによるサウンドの追求は徹底的なまでに試みられましたが、こうした電子音楽への接近は更に進み、現在はエレクトロニカや現代音楽とロックとの融合が実験的に行われています。こうした傾向をポスト・ロックと呼ぶ事もありますが、現代ロックの素晴らしいところはこうした、コマーシャリズムとはかけ離れたサウンドでさえ、多くのリスナーが興味を持って聞いている事です。